村上龍は駄作と良作の差が激しい作家だと思うんですが、この作品は駄作としか思えません。全然面白さが分かりませんでした。銀座のクラブに集まるハイテク
スノッブたちの与太話がメインです。まあ、支離滅裂な
トークだけならまだいいんです。困るのはそのトンデモテク
ノロジーが現実化して、しかもそれが意味のある展開につながらず、ぐだぐだのまま話が終わってしまうという点です。SFとして読んでも、そういえば
R・A・ラファティに似たような話があったなあという程度で、だからどうしたって感じです。普段の
村上龍のノリと違いすぎて、非常にリアクションに困る小説でした。