Steins;Gate

地震が来るたびに「それが大地の選択か……」とつぶやいてしまう厨二病にはもってこいのノベルゲーム、それがシュタゲ。タイムマシンを使って困難を乗り越えるというのは、ハインライン「夏への扉」をはじめ、SFではポピュラーですが、とくに最近は、何度も過去を改変して絶対に打ち勝つことのできない運命に挑む系統が多いですね。「ひぐらし」「まどか☆マギカ」がそうです。ノベルゲームのくくりでは「ひぐらし」のほうがなぜか泣けました。文章のレベルは「ひぐらし」のほうが圧倒的に稚拙で冗長なんですが。簡潔さでいうと「バタフライ・エフェクト」あたりが最強です。本作も十分面白いんですが、けっこう食傷かなあ。
以下ネタバレ。


疑問点

なぜIBN51000でSERNのデータから最初のDメールのデータを削除したら、世界線が移動するのかが分からない。過去にさかのぼってデータを消すわけではないのだから、「すでにSERNから目をつけられているという事実」を消すことにはならないのではないだろうか。つまりSERNへのクラッキングは未来を変える選択であっても、過去を変える選択ではないため、現在の分岐を「なかったこと」にする影響力ははないはずです。
仮にSERNが最初のDメールをまだ観測していなくても、「SERNがDメールを観測するかどうかわからない状態」から「SERNがDメールを観測することはこれ以降ない状態」へと移るだけだから、その変化は一つの世界線内で連続的に起こりうるもののはず。
過去にさかのぼってデータを消したのなら「SERNがDメールを観測するかどうかわからない状態」から「そもそもSERNがDメールを観測しなかった状態」へと変化するので、今の分岐から別の分岐へと移る理由になるのだけど。