雷撃☆SSガール / 至道流星

ビジネス小説のラノベっていうだけで軽薄なものしか想像できないわけですが、この本に限っては予想を裏切られました。完全に面白いです。さしたる技術も人材もない零細企業がアイディアだけでのし上がる様は本当に楽しい。そして単に一企業として成功するにとどまらない世界規模の野望まで実現しようとします。ただその動機がちょっと安易かなとは思いました。
以下ネタバレ。
金融資本主義は信用創造の過程で実体経済と乖離しすぎるからいつかパンクするってどうなんですかね。負債がふくらみすぎてどうにもならなくなっても、負債の額面はインフレによって実質的に減らせるから、金融資本主義の崩壊みたいな大それた話じゃなくて、単なるハイパーインフレのリスクがあるだけってことじゃないのか。で、現にハイパーインフレはこれまで先進国・途上国問わずに起こってきたけど、それでも資本主義は続いているわけで、ちょっと心配しすぎと思いました。