フラッシュフォワード / ロバート・J・ソウヤー

全世界の人々が自分の未来をかいま見たら、なにが起こるのか。ヨーロッパ素粒子研究所の実験のせいで、数十億の人々の意識が数分間だけ21年後の未来に飛んでしまう。人々は、自分が見た未来をもとに行動を起こすが、はたして未来は変更可能なのか……というストーリー。やっぱソウヤーは面白いわ。運命について考えさせられる作品でした。運命ははたして存在するのか、未来は決まっているのか、自由意志はあるのか、これらのキーワードにぴんときた方なら確実にハマります。個人的に一番怖かったアイディアは、量子力学多世界解釈は自由意志を否定する、というくだりです。考察記事にしたのでどうぞ。

運命はクソゲー!?― 猫でもわかる多世界解釈

しかしラストはあらぬ方向へ着地してしまいました。前半あれだけ議論を重ねたのにこの結末でいいのか、という。あと唐突にスケールのデカいネタも出してくるし。まあ、それまでの面白さを考えれば、十分にお釣りが来るんでいいんですけど。