串刺し教授 / 筒井康隆

SFというよりは実験的な短編がほとんどです。文学がいかにフリーダムか教えてくれます。



句点と読点

。と、についてのショートショートこういう気の利いた短編をさらっと書けてしまうのがカッコいいですね

言葉と「ずれ」

キャラと口調は切っても切り離せない関係にありますが、それをずらしてみようという作品。笑えます。

きつねのお浜

ナンセンスすぎて面白い。内容はあってなきが如きなんですが、その無内容さを逆手に取った作品。文学が素晴らしいものだなんて誰が決めた、と言わんばかり。

シナリオ・時をかける少女

時かけ」のセルフパロディ。ひどすぎる(笑)。作品に愛着を持っているファンは読まないほうがいいでしょう。

退場させられた男

小説を読んでいる時に下らないセリフが目に付いて、これは無いわー、と萎えることがあるでしょう。こいつさえいなければなあ、とぼやく人もいるでしょう。そんな致命的な失言を犯した主人公が物語から退場させらる話です。独創的すぎて意味不明に思われるかもしれませんが、漫画では「このキャラは人気無いので次回殺しましょう」といった具合によくあることです。打ち切りキャラにだって五分の魂があるはず、今回はちょっとミスったけど次は上手くやってみせる! そんな気概をもっているかもしれません。

妻四態

ファンタジーなんですが、ひたすらシュールです。妻が何かの昆虫の如く変態する話なんですが、その突飛さについていけない主人公はあくまでも常識的に対処しようとします。その右往左往するさまがかわいいというか笑えるというか。