絡新婦の理 / 京極夏彦

京極堂シリーズ第5作目。まあ恒例のごとく連続殺人事件がおきて、いろいろ民俗学ネタをからめつつ解決するよ！　という話。今回は美人四姉妹というなにやら読者受けを狙った設定があり、さすがに前作の坊さんだらけの男臭い舞台が評判悪かった、ということなんでしょうか。いろいろ勘ぐってしまいます。まあ、傑作ですよ。
京極堂シリーズで最も完成度が高いのは「姑獲鳥の夏」だと思いますが、最も気に入っている作品は今作です。このシリーズの人気を支えているのは京極堂のトークだと思いますが、キャラのたった登場人物もまた魅力的です。彼らの心情描写は本当に素晴らしく、その部分だけ抜き取って短編小説にしても十分面白いと思えるレベル。特に木場がよかったです。なんですかこのいいキャラは。まあ具体的にどこがよかったとかはすっかり忘却してしまったのですが、とにかくよかったなあという温かい感情がほんわかと残っています。いかん。なんか痴呆っぽい。読んだのもう1年以上前だし仕方ないよね！