宝石泥棒 / 山田正紀

悪夢のような動植物がはびこるファンタジックな世界で、戦士と呪術師と“狂人”がパーティーを組んで冒険するというストーリー。筒井康隆「旅のラゴス」よりもSF寄りです。まず思ったのはこれはそのまんまRPGのシナリオに流用できるなあ、ということ。冒険が進むにつれて謎のキーワードが次々に提示されて、そのひとつひとつをこなしていく感じがいかにもゲーム的です。「ある場所にいかなくては」→「場所を知っている人を探そう」→「どうやったらそこに行けるのか方法を探そう」→「旅に必要なアイテムをゲットしよう」みたいな。一応フローチャートっぽくストーリーが展開するのにもSF的な理由付けがあるんですが、話のほとんどがRPG的な冒険で占められているので、これを面白いと感じられるかどうかが評価の分かれ目です。

私はそれなりに面白かったんですが、それでもドラクエ・FFを必須科目のように嗜んでいる今の世代が楽しめるのかどうかは不安です。たとえこっちのほうがドラクエよりずっと前に出ているにせよ、ドラクエのほうを先にプレイしている人がほとんどでしょうし、そういう人にはやっぱり新鮮なシナリオとは思えないんじゃないだろうか。
でも世界観はかなり好きです。樹上の沼、空飛ぶ魚なんかは前に見た架空の生態系シミュレーションを思い出してワクワクしました。

ホーキングやミチオ・カクなどの有名科学者も参加している企画。SFファンじゃなくても楽しめる動画です。