西の魔女が死んだ / 梨木香歩

思春期の女の子がちょっと不思議な場所で居候するという「千と千尋の神隠し」的なストーリーです。まあファンタジーではないんで不思議っていってもそこまでではないんですが。しかし、これはねえ。なんというか、あまりにも安易。安易に決着をつけすぎてる。主人公の女の子はクラス内政治に失敗していじめられており、なおかつ「ダイの大冒険」におけるポップのように「人はいつか死んで消滅する」という生の有限性に気づいてボロボロになっているのです。こんな状況を覆すには、森絵都「カラフル」ぐらいの冴えた一撃をもってこないといかんのですよ。本書はなにやら小学校の課題図書になっているらしいですが、頭のいい子なら逆に絶望するんじゃないか、ていうレベル。