深夜の弁明 / 清水義範

清水義範の短編集。「百字の男」が秀逸です。新聞の番組紹介欄でドラマのあらすじをきっちり100字にまとめるライターが主人公。この男がなんでもかんでも100文字にまとめてしまう職業病になってしまうという内容です。
実際にこの短編の段落のほとんどが100文字で構成されており、笑えました。遊び心が素敵。はてなブックマークというお気に入りのページにコメントできるサービスがあるんですが、これも字数制限が100文字なんですよね。

実際にそのはてなブックマークを利用してこの書評も書いているわけですが、なかなかきついですね。ちょうど各段落を100文字に収めるというのは。普段の文体を維持できません。苦しい水増しと省略で、カバーしてます。
文体の制限なら筒井康隆「残像に口紅を」もオススメ。字数制限だけでこんなにきついなら一定の文字が使用不可という制限はもう気も狂わんばかりの縛りプレイでしょう。やっぱ筒井さんは凄い。よし。100文字で書けた。