バトル・ロワイアル / 高見広春

中学生のクラスメイト同士に孤島で殺しあってもらう話。貴志祐介「クリムゾンの迷宮」のような生き残りをかけたゼロサムゲームです。シチュエーションだけなら「カイジ」っぽくもあります。設定が面白い。なかなか考え付く発想じゃないですよ。人生は競争だなんてよく言いますが、これは本当に生き死にを賭けて闘うのです。現役の学生だったら、自分ならあっさり序盤で死にそうだなあ、いや案外いいところまでいくかも……などと妄想を膨らまして楽しめるでしょう。まあ、アイディア勝負というか出オチの感が否めないので、あらすじに魅かれなかったら読まないほうがいいです。
しかしこれを読むと「カイジ」が設定だけじゃなく内容でも高水準なんだと思い知らされます。利根川の毒舌を前にしたら、本書の先生役なんかとても及びません。