しかしこれは、安定的に儲けてほしい従業員や債権者にとっては困ります。会社が長期的に繁栄することを目的にするのなら、株主主権よりも債権者主権のほうがむしろ望ましいとすらいえるかもしれません。
著者は、株式をオプションとしてとらえ短期的な利益を追求する株主が会社の経営に口を出すことに苦言を呈しています。代替案として、長期的に株式を保有し、会社の経営も長期的なスパンから考える国策ファンドがあればいい、と言います。個人的には、公共の利益の名の下に、儲からない分野に資本が投下されて、非効率的な資源配分が実現してしまいそうで嫌なんですが、ウォーレン・バフェットみたいな偉大な投資家が運用者になれば上手くいくかもしれません。