医薬品クライシス / 佐藤健太郎

製薬会社で研究職をやっていた著者が語る業界の実態。薬品の新規開発というのは、ほとんど運任せのギャンブルみたいなもので、いかにこの業界が綱渡りかがわかります。高利益の企業が多くて安泰というイメージがありますが、かなり不確実性の高い産業なのです。まあタレブ「ブラック・スワン」なんかはその不確実性ゆえにまだまだ賭けに値するとか言っていますけど、どうなんでしょうかね。また本書は、薬がなぜ効くかというポピュラーサイエンスになっていて文系読者には大変ありがたい。