職業としての政治 / マックス・ウェーバー

官僚制の成立過程を分析したドキュメンタリーとしてはなかなかだが政治家としての心得を説教する部分はどうにも陳腐で読めたものではない。「政治という仕事は、情熱と判断力の両方を使いながら、堅い板に力をこめて、ゆっくりと穴を開けていくような仕事です。」という有名な部分も、「So what ?」である。和訳すると「で?っていう」である。ウェーバーを読むくらいならニーチェ「道徳の系譜」を読んで政治的対立がいかに根深いかを学んだほうがいい。あるいはハイエク「隷従への道」を読んで、政治的対立がどうでもいい偏見から生まれることを知ったほうがいい。