ネフィリム 超吸血幻想譚 / 小林泰三

小林泰三のホラー。吸血鬼最強と怖れられたヨブ。娘と妻の復讐のため、吸血鬼を退治する組織「コンソーシアム」に入った人間・ランドルフ。吸血鬼を食べ、己の肉体に吸血鬼の臓器を収め、さらに強力なものへ変身する、追跡者・J―――という設定だけみても中二病くさいというか、ラノベっぽいというか、そんな作品です。「HELLSING」のような悪趣味バイオレンス万歳な感じ。スプラッタ描写と超能力バトルみたいなところは「ΑΩ」っぽいですが、SF成分が決定的に足りないのでSFファンとしては不満でした。短編のアイディアをバトルで希釈して無理やり長編にしたみたいな感じです。