虚航船団 / 筒井康隆

筒井康隆が6年もの歳月をかけて綴った大作。しかし読んだのが中学生の時だったせいか、そんなに面白くなかったです。消化不良を起こしているだけかもしれません。親にお前が読むのはまだ早いと言われてムキになった結果がこれだよ! 力作であることは疑いようないんですが、「残像に口紅を」のような作品の方が好きです。




第1章は、宇宙船の乗組員である文房具たちのドタバタです。擬人化された文房具というだけで馬鹿馬鹿しいんですが、彼ら全員気が狂っているという設定のせいでさらに輪をかけた乱痴気騒ぎとなっています。
第2章は鼬族の星クォールの歴史が紹介されます。世界史のパロディですね。下の動画は食べ物を擬人化して第2次世界大戦を風刺したものですが、似たような面白さがあります。

【ニコニコ動画】food fight 投稿者コメントで解説付き版
そして第3章では、文房具たちの宇宙船が鼬たちの惑星へと侵攻します。はたして鼬の明日はどっちだ? という内容です。それまでに築きあげてきた架空の2つの世界が豪快にぶっ壊されるというのは快感かもしれません。名を馳せた料理人に至高の味噌ラーメンと究極の醤油ラーメンを作ってもらって、その2つを混ぜて食べちゃうっつーぐらい贅沢です。もちろん繊細さの無い大味なんですが、まあいいじゃないですか。