百舌谷さん逆上する

見てください、この表紙。卵っぽすぎやしませんか、顔が。この卵顔にやられてジャケ萎え(ジャケ買いの対義語)してたわけです。しかしid:huyukiitoichiさんに借りてみたら、全然最高に面白かったです。ジャケ萎えしてた自分を張り倒したい。本編の絵はふつうに好みでした。ギャグも冴えてるし、「フルメタル・ジャケット」のハートマン軍曹をかわいい女の子にしてツンデレにしたような主人公の罵倒は痛快です。まあそれだけならただ愉快なマンガで済むんですが、主人公のツンデレ気質は度を越しておりコミュニケーション障害にまでなっているんですよ。この素直になれないというツンデレの性質を過剰なまでに追求した結果、コミュニケーションがある種のゲームのようになるんですね。
正攻法では攻略できない要塞をいかに崩すか、そういったゲームにツンデレ本人も周りの人間も悩みながら一手一手くりだしていく。もちろん並大抵のツンデレではないんで、幾度も幾度も失敗し、ぐるぐると状況は膠着と暴走を繰り返すわけですが、そのたびに主人公は絶望的な自己嫌悪に陥ります。その落ち込んでるときの自虐がまたえぐるような破壊力で病みつきになります。
というか篠房六郎日記「伊藤計劃先輩のこと」で名前は知ってたんだけどなー。いやー、すげーです。すげーなすごいです。