バブリング創世記 / 筒井康隆

ブラックユーモアが好きな人にオススメです。この中では「死にかた」が好きです。職場に鬼が乱入してきて同僚を一人ずつ殺していくという不条理なストーリー。ってそんな話のどこが面白いんだよと思うでしょうが、事件に対して人々がどんなリアクションを取るかという描写がすごく丁寧で、笑えます。極限状態でこそ人間の真価が試されるとはよく聞きますが、そうすると「死にかた」こそが一番その人の地がでるイベントなのかもしれません。色んな類型があり、そのどれかひとつは「あー、おれは多分こいつと一緒だな」と共感できるんじゃないでしょうか。私はおそらく「え? これ冗談でしょ?」とへらへら笑いながら殴り殺されるパターンです。