アフターダーク / 村上春樹

駄作認定してこき下ろすのはいかにも批評って感じで嫌いです。感性なんてものはころころ変わるものですし、今日の凡作が明日の名作だったり、昨日の傑作が今日の愚作だったりするのはよくあることです。京極夏彦も最初はそんなに評価していなかったんですが、作品を読み進めるにつれて考えを改めました。だから村上春樹だっていつかは再評価する日が来るかもしれません。そしてもし今この作品を貶してしまったら、なんであの時こんなこと言ったんだろうバカだなあ、と枕に顔をうずめてじたばたしたくなるぐらい恥ずかしい思いをするかもしれません。でも、そんなリスクを冒してでもこう言いたい。面白くなかった、と。