サバイバー / チャック・パラニューク

世間から孤立したカルト教団の中で半生をすごした主人公がハイジャックしながら自分の半生を振り返るという冒頭からはじまる話。悲劇というような湿っぽい話ではなく、どうしようもなくすべった喜劇みたいな空回りの悲哀があります。悲しいとか可哀そうとか泣けるとか、そういうのではない、やり切れなさ。桐野夏生「リアルワールド」がちょっと近いかもしれません。