リングワールド / ラリイ・ニーヴン

SFの古典。小林泰三が感銘を受けたと言っていたから読んだけど、正直、今となっては読まなくてもいいかなあ、という出来だ。たしかに、地球が何万個も入るような、超巨大構造物というだけで、大変ワクワクするものがあるし、そしてその構造物の内部の、なぜか文明が衰退したディストピア的な光景や、最後に脱出する際の冴えたやり方とか、よかった点もある。だけど、小林泰三「海を見る人」のほうが、読みやすい、いろいろなアイディアが短編集の形でより豪勢にぶちこまれている分だけ、お得なんじゃないかな、という気がする。あ、同じような作品として堀晃「バビロニア・ウェーブ」ってのもありますが、こちらは長すぎるので、初心者向けではないです。