極光星群

年間SF傑作選の2012年のもの。この年は見るべきものがあまりなかった。10点満点でいうと、どれも4〜6点というレンジに収まっているため、特に採点はしてません。
以下、ネタバレありで解説。




宮内悠介「星間野球」

宇宙で、野球盤ゲームをするという、しょうもない話なのですが、居住空間そのものをダイナミックに動かしてイカサマしたりと、カイジ的な面白さがあります。 

上田早夕里「氷波」

土星の輪っかを構成する小天体の震動を、音楽的にとらえる、というイメージは素晴らしいのですが、あとは別に……。

乾 緑郎「機巧のイヴ」

時代小説で、アンドロイドもの。まあまあ上手い。

山口雅也「群れ」

捕食者から逃げるために群れる動物っていますな。という話からの一発ネタ。うーん。

高野史緒「百万本の薔薇」

印象うすい。

會川 昇「無情のうた 『UN‐GO』第二話(坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖 ああ無情」より)」

ひたすら読みにくく、話としても微妙。

平方イコルスン「とっておきの脇差

一読して意味が分からないが、なかなか味わい深い。彼氏を奪い合っての決闘が普通に行われる世界観、ということでしょうか。面白いです。

西崎 憲「奴隷」

印象うすい。

円城 塔「内在天文学

人間原理が正しいなら、○○原理だっていいじゃないか、いい加減にしろ! とか言っていたら、本当に人間以外の○○が世界の主たる観察者になってしまって、人間に都合よくないように世界の構造が定まってしまった、という話。アイディアは面白いものの、ストーリーが微妙(つまりいつもの円城塔)。

瀬尾つかさ「ウェイプスウィード」

海洋SFっていいですなあ。このアンソロジーでは面白いほう。

瀬名秀明「Wonderful World」

印象うすい。もう、本当に、アンソロジーに瀬名さんを入れるのは勘弁してください……。初期の長編は面白かったのに、最近の短編は無駄に高尚で面白くない。

宮西建礼「銀河風帆走」(第4回創元SF短編賞受賞作)

印象うすい。