時間衝突 / バリントン・J・ベイリー

ベイリーと小林泰三は似ているなと思うんですよ。アイディアの馬鹿さ加減と、スピード感のある展開がどちらも売りで、こういう作家は本当に大好きです。本書は時間軸そのものが衝突するという、え、それどういうこと? という作品で、まあ言ってみれば出落ちみたいなところもありますが、いいんです。小林泰三「時空争奪」(「天体の回転について」収録)はきっとこの影響を受けている。個人的には「カエアンの聖衣」のほうが好きかな。