長崎オランダ村 / 村上龍

村上龍の自伝的小説ときくとなにやら壮絶な実体験を期待してしまうが、これはそんな堅苦しい本ではありません。中年の作家がハウステンボスにやってきて高校時代の後輩と飲んだり食ったりしながらだべるだけの話です。「69」の後日譚がまさかこんな形でくるとは思わなかった。ハウステンボスには実際に行ったことがあるので細かいディティールとかもなんとなく共感できて楽しかったです。全体的に肩の力を抜いた作品で、村上龍ってこんなゆるい作品も書けるんだね、と新鮮でした。