知的障害者チャーリィに投薬で頭を良くしてあげる話。全てチャーリィの日記という形式なので、最初の方はひらがなだらけ誤字だらけのひどい文章です。ところがどんどん頭が良くなるにつれ、急速に文章もまともになっていきます。そしていつかこいつ自分より頭いいぞってなる瞬間が来るでしょう。あの馬鹿がよくぞここまで……という嫉妬と賞賛がないまぜになった複雑な心境になります。そして後半また知能が下がるにつれて、読者も不安にさせられます。露骨にかわいそうです。そしてラスト。小説で泣くなんてことはめったに無いんですが、ラスト1ページでは半泣きにさせられました。SFとしての感動があるというより、純粋に泣ける物語なので、万人にオススメできる傑作です。
