ゲームの名は誘拐 / 東野圭吾

東野圭吾のミステリということで期待せずに読みましたが、期待してなかった分、それなりに面白く読めました。狂言誘拐という名の知的ゲーム、なかなかよく練られていて飽きさせません。ただ登場人物の動機が不自然というか、ええーそんなんで!? という感じで残念でした。でもそれまでは凄くよかったのにこれのせいでダメダメになったとかそういうのではありません。奮発して寿司を食べに行って頼んだカニ汁にゴミが入ってたらさぞかし憤慨するでしょうが、マックシェイクにゴミが入っててもまあ別にいいや、という寛容な態度を取れます。あなたにとって本書がカニ汁かマックシェイクかはわかりません。私にとってどっちだったか? この書評全体に漂うテンションの低さからご察しください。