分身 / 東野圭吾

たぶん初めて読んだ東野圭吾の小説。なぜたぶんかというと、どうにもインパクトに欠ける作品で、いつ読んだのかすらも判然としないのです。まるでミネラルウォーターのように無色透明な作品で、摂取した途端に消費しつくしてしまい後には何も残らない。って消耗品ですか。「自分とそっくりの人間がいたらどうなるか」というテーマでなんとなく面白そうなのですが、これといって斬新なところはなく、よく言えば良識派、悪く言えば凡庸です。宮部みゆきが好きな人なら合うかもしれませんね。