理由 / 宮部みゆき

宮部みゆき直木賞受賞作ということで読みましたが、つまらなかったです。もともと宮部みゆきは合わないんですよ。無難にまとまりすぎていると思うんです。その普通っぽさが逆にイイと評価する方もいるでしょう。宇宙人や超能力者みたいな非常識な輩がでてきては萎える、大の大人がそんな子供だましに一喜一憂するのはいかがなものか、と言われては、へぇその通りで旦那、と下手に出るほかありません。ですが子供だましでもいいからそういう驚きが欲しいんです。日常の延長線上にある物語はたしかにリアルなのかもしれませんが、それは日常同様に見飽きたものなのです。

苦手な作家のレビューの是非

常々疑問に感じているのが、こういう批判的なレビューは必要なのか、ということです。ある程度好みの作家について、この作品は最高傑作だとか、この作品は明らかに手を抜いてるだのというのはアリだと思います。気になる作家でも全部読破するなんて時間的にはきついから、とりあえず評価高い作品から手を出してみるか、という人はけっこういるんじゃないんでしょうか。でも全く好みに合わず、その著作全てが駄作にしか思えない作家についてレビューするのはただのアンチ行為なのでは? と、思うわけです。*1
でも、ごくごく少数でしょうが奇跡的にここの書評と感性を同じくする人がいたとして、その人にとっては地雷を回避するための有効な手助けとなるでしょう。そしてこれも万が一ですが、感性が合わない読者をも問答無用でねじ伏せる力を持った傑作を書いている可能性もあるのです。宮部みゆきにおいてはまだそのような作品と出会ってませんが、期待せずにこれからも読んでいきます。

*1:たとえアンチ認定されても主観たれ流しで書く所存ですが