資源を読む / 柴田明夫

商社の業界研究本として読みました。商社の従来的なビジネスモデルは流通の仲介ですが、最近は金属・エネルギー部門の事業投資が収益源となっています。三菱商事三井物産伊藤忠・丸紅などは資源価格の高騰を受けて金属・エネルギー部門の利益が全体の6割を超えるほどとなっています。(一方、住友商事は2割程度)*1 このビジネスモデルが成り立つかは、これから資源価格が上昇するかにかかっていますが、著者によればまだまだ伸びる余地はあるそうです。なぜか。
たとえば石油価格は先進国の10億人が工業化するときに10倍にも伸びました。次の時代はBRICsの30億人が工業化するわけですから、さらに10倍に伸びてもおかしくはないぐらいです。ただ、そこまで石油価格が上がってしまうと、太陽光などの新エネが十分採算取れるレベルになってしまうので、新エネがどれだけ効率良くなるかも考慮しないといけません。

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