超電導ナイトクラブ / 村上龍

村上龍は駄作と良作の差が激しい作家だと思うんですが、この作品は駄作としか思えません。全然面白さが分かりませんでした。銀座のクラブに集まるハイテクスノッブたちの与太話がメインです。まあ、支離滅裂なトークだけならまだいいんです。困るのはそのトンデモテクノロジーが現実化して、しかもそれが意味のある展開につながらず、ぐだぐだのまま話が終わってしまうという点です。SFとして読んでも、そういえばR・A・ラファティに似たような話があったなあという程度で、だからどうしたって感じです。普段の村上龍のノリと違いすぎて、非常にリアクションに困る小説でした。

BAD KIDS バッド キッズ / 村山由佳

20歳も年上のカメラマンとの関係に悩む女の子と、ラグビー部の同性のチームメイトに片思いするゲイの話。同性愛がテーマということで重いです。しかし面白い。男は特にホモフォビアな傾向があると思いますが、それでも共感できるくらい丁寧に描かれています。「ウホッ！　いい男」なんていうギャグで笑っている人はこの小説を読むと素直にガチホモをネタに出来なくなるでしょう。そのヘヴィさが甘くなりがちな恋愛小説にいい感じにスパイスってます。