性のない国、性のない結婚――「宝石の国」・「逃げるは恥だが役に立つ」

性別が無くなったら、そのとき人と人との関係性はどのようになっているのだろう……。そのような思考実験として、「宝石の国」を読んでみる。登場するキャラは、人間のようで、でも基本は鉱物なので、性別がない。しかも触れたら割れるのでスキンシップも危険なものとして避けられてる。
つまり、恋愛する必要もないし、頭ぽんぽんされたらなんか好きになったとかいう身体的反応経由の好意も生じえない。じゃあ、残るのは友情なのか、というと、なんかそうとも言い切れない。主人公フォスフォフィライトのシンシャに対する純粋な「かまってあげたい」感と、シンシャのそれに対するツンデレ的な対応は、友情というにはちょっと違うような気がする。

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