資本主義と自由 / ミルトン・フリードマン

貧困とか格差について語るならせめて読んでおいてほしい名著。そもそもメディアでは貧困問題と格差問題を区別せずにいっしょくたに議論されているが、この両者は全く別物だ。前者は「絶対的貧困があり、それをセーフティネットによって拾い上げよう」というものだ。後者は「相対的格差があり、それをセーフティネットによって縮めよう」というものだ。
フリードマン相対的格差は問題とすべきではないと考える。そうした「結果の平等」を求めるパターナリズムでは、より生産的な活動をして上へ行こうというインセンティヴを殺してしまう。他人を蹴落とす競争なんてけしからんなどと反感をもつ人もいるかもしれないが、「もっとすごいものをつくって儲けよう」という個人の利己心が莫大な富を社会にもたらしてきたのだが歴史なのだ。どんなに手を抜いて生きても「結果の平等」が保障されるのなら、結局、旧社会主義圏が直面した経済の停滞につながってしまうだろう。

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