ブラフマンの埋葬 / 小川洋子

小川洋子の中編。変な小動物を飼う話。ペットの可愛さに癒されたいけど実際に飼うのは面倒くさいという層をターゲットにした作品です。一方、癒し系の名の下に濫造される粗品の数々を苦々しく思っている人は、こういうの受け付けないでしょう。乳白色のようなほんわかした文体と、さり気無く挿入されるちょっと気の利いた言い回しは、読みやすくてよかったです。村上春樹伊坂幸太郎みたいな感じ。この作家は本屋大賞も取っていますから、これ系が売れ線なんだろうなあ。

どちらかが彼女を殺した / 東野圭吾

書名そのまんまのフーダニットです。容疑者は二人、どちらが被害者を殺したのか? 本文中には犯人を明かす記述がないため、読者は散りばめられた伏線を自分で回収して、犯人を推理しなくてはいけません。まるで自分が探偵になったかのような知的ゲームを楽しむことができるでしょう。

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