イエスタデイをうたって

かなり好きな作品。マンガの絵というよりも、美大生が書いたという方がしっくりくるような、素晴らしい絵。ストーリーは恋愛を中心にしてはいますが、けっこうぐだぐだなんで、どうでもいいです。4巻くらいまでは最高なんですが、「めぞん一刻」の管理人さんを数倍めんどくさくしたヒロインが、すべてをめんどくさくしていきます。ただ脇役も含めキャラと、何気ない日常の空気感は素晴らしく、居心地がよい。夢見がちな大学生気分が抜けなくて、とりあえず生活のためにコンビニでバイトして、でもアート的なものから完全に抜けられるわけでもない、そんな主人公の成長物語として読むこともできるかもしれません。
個人的に村上春樹は好きではないのですが、おそらく村上春樹が好きな人はハマる作品のような気がします。
ちなみにタイトルは、イエスタデイを歌いながら何かをするということではなく、イエスタデイ歌ってくださいオナシャス!という意味です。ただ、このタイトルの伏線が回収されることはついぞ無かった気がします。