あぜ道のダンディ

現代日本の片田舎のあぜ道で、妻に先立たれ、子供にはうざがられている50代の男が、いかにして尊厳ある生を可能にするか、という話。あまりにも挑戦的であるし、ほとんど無理ゲーなのである。こういう、みじめさを直視しなければいけない話は、観ていてつらいが、引き込まれるものがある。ダンディであるかどうかは別にして、その置かれた状況の絶望的なまでの平凡さと、そこからのあがきっぷりには嗚咽を禁じ得ない。実際泣いた。