イスラーム国の衝撃 / 池内恵

知らないことだらけだったので、読んでみてよかった。過激派組織ISがそもそもどこから来たのかとか、アルカイダとの関係はどうだったのかといった経緯が非常にすっきりする。また、イラク・シリアでは政府の軍事力・警察力の及ばない政治的な空白地帯ができてしまっていることで、ISが勢力を伸ばしやすい状況にあることや、そもそもそういった政治的空白は、独裁政権を打倒したアラブの春と、その後の革命勢力のぐだぐだな統治にもよっても助長されている、という話なんか、国際政治の奥深さを教えてくれる。今上映中の「アメリカン・スナイパー」の参考資料として読んでもいい。