聲の形

あー、本当に面白いなあ。今連載中の作品の中で一番の面白さかもしれない。耳が聞こえない障害を持つ女の子を、小学校時代に笑いの種にしていじめてしまったクソガキが、やりすぎだということでバッシングを食らい、はしごを外されていじめの首謀者として今度はクラスからいじめられるという話です。重い……。でものこあたりのいじめの発生の描写が適切で素晴らしいんですね。内藤朝雄「いじめの構造」に書いてあるような、他人をコントロールして自分が優位に立ちたいという欲望がいじめの原因みたいな、よくわからない話じゃなくて、授業とか学校とか退屈過ぎて、なにか面白いことでもやってないと持たないってのが一番理由として大きいと思います。つまり、いじめはエンタメの一環として行われる、というものです。作中では、このあたりが非常にうまく表現されています。あと、主人公はクソガキながらも反省してその女の子に謝りに行くのですが、このあたりとかも感動的ですし、その後の青春的な展開も、ヘビー級の序盤の暗さを思うと素直に楽しめます。