で、本作の主人公はラルフという悪役で、ゲームの中では決して主役になれない存在です。登場人物からは煙たがられ、ゲーム内での住みかも劣悪な環境で、みんなから認められるヒーローになりたいと願う男です。尊厳なき、ごみためのような仕事に倦み疲れた男が、なんとか己の尊厳を保持しようとする、そんな普遍的な物語なのです。
ちなみにラルフは「悪役の会」というものに出席します。これは悪役同士が愚痴を言い合う会なんですが、なぜかストツーのザンギエフさんも出席しています。お前悪役じゃないだろ。
悪役の価値を雄弁に語るザンギエフ