KYOKO / 村上龍

僕はダンス自体はたいして好きじゃないんですが、ダンスの話はわりと好きで、この小説もダンスが救いになってるとてもいい話です。主人公は昔ダンスを教えてくれた米軍兵士に会いにアメリカまでわざわざ行ったら末期のAIDSで、その男の願いを叶えるために二人して旅をするというストーリーです。とくに大きな事件もないロードノベルなのですが、ささいなエピソードの中に主人公の強さというか精神性というのが押しつけがましくなく描かれており、するっと読めます。