ドグラ・マグラ / 夢野久作

奇書っていうから敬遠してたけど、レトロな文体のラノベって感じで読めるので、意外としっかりエンタテイメント。京極夏彦とか好きなら是非。冒頭で、いきなり主人公が自分の名前もわからない記憶障害であることがわかり、さらに自分が今精神病院に監禁されているらしいことがわかる。しかも隣りの部屋には自分のことをお兄様と呼んでうるさいメンヘラみたいなのがいた状況は混乱を極める。そうした中で、主治医らしき人物から少しずつ情報を渡され、物語の概要がわかってくるあたりは本当に引き込まれます。また作中作がたくさんあって、その文体もどれも凝っているのでメタフィクション的な面白さもありますね。