魚籃観音記 / 筒井康隆


筒井康隆の断筆後の短編集。ちょっと懐かしいというか原点に返ったような感じがして、嬉しかったです。
馬がどうみても人間に見えてしまうシュールなSF「馬」、ヒャッハーと雑魚がバイクで疾走してそうな荒廃した世界で繰り広げられるモンスターと人の戦い「ラトラス」、建築ギャグ小説「分裂病による建築の諸相」、「熊の木本線」(「おれに関する噂」収録)みたいなちょっと変わった地方が舞台の「谷間の豪族」などが秀作です。