資産運用のバイブル――バートン・マルキール「ウォール街のランダム・ウォーカー」がすごい

そんな事より読者よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。 昨日、近所の遺産分割協議行ったんです。遺産分割協議。 そしたらなんか現金でなんぼかあったんです。 で、よく見たらなんか純金買って運用するらしいんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、遺産如きで普段来てない遺産分割協議に来てんじゃねーよ、ボケが。 遺産だよ、遺産。 なんか親子連れとかもいるし。一家3人で遺産分割協議か。おめでてーな。 よーしパパ純金頼んじゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、「ウォール街のランダム・ウォーカー」やるからその頭をどうにかしろと。 遺産分割協議ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 証券会社の奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっと話をきいてももらえたかと思ったら、隣の奴が、金のバイ&ホールドで、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。あのな、金のバイ&ホールドなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、金のバイ&ホールドで、だ。 お前は本当に金のバイ&ホールドで運用益をあげたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。お前、金のバイ&ホールドって言いたいだけちゃうんかと。 遺産分割協議通の俺から言わせてもらえば今、遺産分割協議通の間での最新流行はやっぱり、再投資型インデックス・ファンド、これだね。 MSCIコクサイ株価指数連動 再投資型インデックス・ファンド 円建て。これが通の頼み方。 再投資型インデックス・ファンドってのは売却まで課税が繰り延べられる。そん代わり複利の運用ができる。これ。 で、それにMSCIコクサイ株価指数連動円建て。これ最強。 しかしこれを頼むと次から税務当局にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。素人にはお薦め出来ない。 まあお前らド素人は、橘玲でも読んでなさいってこった。

資産運用のためのバイブル

前置きが長くなりました。
要はうちの親が祖父の遺産で純金買おうとしてたから止めたって話です。純金を買うのは手数料が高いし、保管コストも高くつきます。そんな投資するくらいなら、むしろ海外に分散投資できて手数料の安いインデックス・ファンドのほうがいいのです。なぜそれが最適な戦略なのかは本書を読めば分かります。ただ注意してほしいのは「この本を読めば絶対儲かる」わけではなないということです。

多くの資産運用本は「どうしたら儲かるのか」という威勢のいい話をしますが、本書ではむしろ「どうしたら確実に損をするか」という話からスタートします。しかし、この「どうしたら確実に損をするか」こそが一番大事なのです。だって「どうしたら儲かるのか」という方法が一度分かってしまえば、みんながそれを真似するので損をする人(カモ)がいなくなり、誰も儲からなくなります。だから「どうしたら儲かるのか」を書いてる本は当てになりません。

本書の結論はシンプルです。できるだけリスクを分散すること、そしてできるだけ手数料の低い金融商品を探すこと。これだけです。そうした「確実に損をする道を回避する」ことこそが大事なのです。