伊藤計劃記録 / 伊藤計劃

伊藤計劃成分が足りなくて困っている、そんなあなたにぴったりの短編+エッセイ集。民族紛争後、「自分の部族と他の部族の見分けがつかなくなる」脳神経的処置を受けた少年兵の話(「The Indifference Engine」)は圧倒的に面白いです。これだけは是が非でも読む価値がある。あとは、「ガメラ3」や「リベリオン」の映画評が、観に行きたくなるようなおもしろ文章だし、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の映画評は作者の結末を知っていると泣けます。ただ、よっぽどのファンじゃない限り、そこまで楽しめないかも。何も知らない友人にオススメするなら、やはりまずは「虐殺器官」ですね。