カラフル

罪を負って死んだ魂が、他人の肉体にホームステイして前世の罪に気づくまで修行するという話。これだけ聞くとなんか宗教チックな試練を乗り越えるとかそんな展開なのかと思うが、ホームステイ先の肉体はどこにでもいる普通の男子中学生なので、とくに派手な事件は起こらない。だが見た目の地味さとは裏腹に、主人公の内面にはかなり劇的な転換が起こる。まったくの平凡な庶民臭い日常を、鮮やかに見直す発見が待っている。これ以上言うとネタバレになってしまうので多言は控えるが、僕は「カラフル」をまだ観ていない人が羨ましい。以下、原作との違いとか、思ったことを適当に書く。原作をすでに読んでいる人向けです。


  • この天使ぶん殴りたいなあ!
  • こんな訛りで大丈夫か?
  • ひろかは原作だともっとむっちりしているイメージだったのに、ふつうにかわいい子になってる
  • 佐野唱子の浮いている感が素晴らしい
  • 佐野唱子が出てくるときの異物感に毎回どきりとさせられる
  • 進路を決めるときは原作でも感動ものだったけど、やはりいいな
  • ひろかへの説教は少し唐突
  • ラストの天使とのやりとりは原作に比べるとテンポが悪い
  • 主人公である魂が、他人の肉体に入っているのをいいことに貯金を使い込みまくるシーンとか、アバター感覚で好き勝手にイメチェンするシーンは欲しかったな
  • 他人の肉体を一時使用していることのフリーダムさがあんまり伝わってこない
  • 全体的に主人公を外部から俯瞰する視点に立っているので、原作よりも内面の転回がわかりづらい
  • でもいい映画だった