ウォッチメン

なんとも苦い映画なのだが、不思議と爽快感も併せ持っている。「ダークナイト」と同じようにアメコミのヒーローたちが出てくる話なんですが、こちらのヒーローはなんというか、パチモンくさい。コスプレしてる痛い人にしか見えないし、その上平気で市民に銃撃したりするから忌み嫌われている。だがそんなヒーローたちの存在は、正義がいかに胡散臭いものかを表現しているとも言える。ヒーローがもっと英雄らしく、カッコよくふるまう普通の戦争映画より、「ウォッチメン」の虚構じみたヒーローたちこそ真のヒーローだ。正義の胸糞悪い部分も、ちゃんとこの映画は拾っているのである。