筒井康隆じゃねーかこれ(ほめ言葉)。
好みの文体だったしギャグも面白かったんですが、なにかしら不満だったのはストレスがたまるストーリーだったからかもしれません。非モテの男ががんばって女の子につきまとうという話なんですが、まどこっしすぎた。まあ、そこがコメディとしては面白いところでもあるんですが。
あとファンタジー要素は別になくてもよかったんじゃないですか。この独特の文体でもって十分に世界は異化されているわけで、その一風変わった面白みある世界に超常現象を盛り込んでも過剰な感じがします。むしろ語り口ひとつでもって、ともすればありきたりでつまらなくなりがちな学生生活が鮮やかな物語へと変換される感動を前面に押し出してもよかったんじゃないか。ネタギレが心配だというのなら、そこは4章でやったごとく主人公の妄想でカバーすればいい。