鉄鼠の檻 / 京極夏彦

京極堂シリーズ第4作目。今回のテーマは「禅」です。この禅というのは京極堂の天敵ともいえる存在です。なぜなら、禅とは言葉では表現できないものだからです。言葉では表現できないものを体現するために、禅があるというか、禅を表現する最も簡潔な方法が禅そのものであるというか。言葉を操って事件の解決を図る京極堂にとって、この禅というのは実に厄介です。言葉にしようとしてもするすると逃げていってしまうらしく、読んでいるほうもさっぱりわからない箇所があります。しかし面白かったから満足です。