2days 4girls / 村上龍

村上龍の鬱系エロ小説。心が壊れて捨てられた女たちを預かり、立て直すことが仕事の主人公。そんな男が夢とも幻想ともわからない謎空間をさまよいながら、うだうだと暗い話をするというストーリーです。はっきり言って面白くなかったし、これを面白いと思える感性はどうかしてるんじゃないかという気がします。暗すぎる。

テーマとしては「人は他者を救うことなんてできない」という当たり前のことなんですが、そのアプローチが「最後の家族」で見せたような真っ当なものではなく文学的なんです。そういうと聞こえはいいですが、要するに合う人には合うけど合わない人にはとことん合わないという排他的な語りの形式なんですよね。まあ、こういうのが受けるという文学の潮流はたしかにあるだろうし、それに乗っかって作品を書くということそれ自体はいいんですが、それと私が感動したかどうかはまったく別の話です。一読者として、いや、一消費者として物申します。
これ系はつまんねーぞ村上龍! と。
余談ですがハードカバーで出版された時のタイトルは「2days 4girls 2日間で4人の女とセックスする方法」でした。どうみても釣りタイトルです。本当にありがとうございました。