空の境界 / 奈須きのこ

うわあ、これは……。漫画にあるような設定をくどくどしい文体で表現するとこうも恥ずかしいことになんるんでしょうか。中二病まっしぐらですよ。まあベタ褒めした冲方丁「マルドゥック・スクランブル」も女の子が銃を両手に大暴れするという中二病な話なんですが、あっちは読者に何かを伝えようという努力がありましたしSFとしても良かったんです。しかし本書は清涼院流水のポエム臭を100倍の濃度に蒸留したような臭さがあり、そのフレーバーにくらっとくる人にはいいのかもしれませんが、いざ嗜好が合わないとただ単に読みづらいだけの小説になってしまいます。