実用書
製薬会社で研究職をやっていた著者が語る業界の実態。薬品の新規開発というのは、ほとんど運任せのギャンブルみたいなもので、いかにこの業界が綱渡りかがわかります。高利益の企業が多くて安泰というイメージがありますが、かなり不確実性の高い産業なので…
ウィトゲンシュタイン「口では懐疑主義を唱えていても、身体は現実の確実性に正直だな。しっかりと言語ゲームしているじゃねぇか、ぐへへ」 分析哲学者「くやしい…でも言語ゲームしちゃう!」ビクンビクン 下劣な要約だが、つまりはこういうことではないか。
弁護士・官僚・学者とトリプル・キャリアをもつ著者が語る、法曹のキャリアプラン。それぞれの特色がわかって便利です。法学部生は読んでおいていいですよ。とくに弁護士になるか官僚になるか迷っている人とか、対象読者です。ただ、弁護士の供給過多による…
うーん、これは微妙かなあ。全部を一応網羅できているけど、全体を見通したからといって使えるスキルが身につくわけでもない。これなら「借金を返すと儲かるのか?」方をオススメします。
12歳で会計がわかるわけねぇだろ、とか思って読んだら、これはガチ。 仕分けの、あの謎ルールが視覚的にわかりやすく解説されています。はあ、なるほど、これはそういうゲームだったのかと目から鱗。あと財務諸表の見方も、妙なインパクトのある覚え方が紹介…
これは分かりやすい。素人が実感できる「儲け」と会計上の「利益」ってけっこう違うので、諸々の企業活動がどのように会計上翻訳されているのかを説明する本書は貴重です。4,5回読んで血肉にしたい一冊でした。
だいぶ前にインターン先の社長から借りたマーケティングの本。 続編にありがちな内容の焼き増しがみられてちょっと残念。半分くらいは前作のおさらいなので物足りなかったです。また「前作のアドバイス通りにやってみたけどうまくいかないよ!」という読者の…
本書では、マーケティングの基本は、商品のカッコよさやクオリティの高さを演出することではないと断言しています。そのようなイメージ広告は大企業のような体力のあるところしかできず、中小企業がやってもお金をドブに捨てるようなもんだというのです。 そ…
そんな事より読者よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。 昨日、近所の遺産分割協議行ったんです。遺産分割協議。 そしたらなんか現金でなんぼかあったんです。 で、よく見たらなんか純金買って運用するらしいんです。 もうね、アホかと。…
ずっと気になっていた哲学者だった。なにかあるたびに「それって言語ゲームだよね」などとドヤ顔ではぐらかす連中に負けたくなかった、というのが動機である。あまり期待はしていなかったが、その分思わぬ収穫もあった。 以下は完全に「私」用のメモとして記…
IFRSは2012年に上場会社に強制適用するかどうかが決定され、最速で2015年に強制適用が開始します。会計基準もグローバル・スタンダードなどという文句とともに、導入は既定路線です。しかし、このIFRSは理論的に問題が多いのです。従来の日本基準は、すでに…
ハイエクによれば現代の議会制民主主義の最大の欠点は、法が恣意的に立法されている、ということです。立法府と行政府の境目があいまいなため、行政の都合(政府という組織の都合)のために法が制定され、法の本来の機能である権力の制限とそれによる人々の…
ハイエクの独特な正義論は、僕たちの無知を前提にしています。僕たちの人生の目的はどのようなものかは多種多様ではっきりしないし、それゆえそのはっきりとしない抽象的なニーズたちの「どれがより重要でどれがより劣後されるか」の序列を知り得ることはで…
法学部生として最も感銘を受けた。 法学の講義って延々と解釈論をやるので、正直なにやってんだこいつら、と思っていまいした。たしかにそういった結論は導き出すことは可能だが、それとその結論が正当であることは別なのではないか、どのようにして正当な結…
著者は日本の根本的な問題を官僚のインセンティブ設計だとしている。官僚は一度省庁に入った後はその省庁に骨を埋めることになる。出向によって他の省庁で働くことはあっても、その働きぶりを評価するのはやはり最初に入った省庁なのだ。ということは、どう…
エネルギー関連本は、新技術に夢見る技術屋が書いたお花畑や、エコ大好きの環境主義者のゴリ押し本が多くて、うんざりでした。なので本書はエネルギーの効率性という視点から現状を俯瞰しており、新鮮でした。まず、著者は質の良いエネルギーの基準として、E…
外銀はさすがに無理だけど、邦銀ならなんとか勤まるんじゃないか―――という就活生の甘い期待を打ち砕くのがこの本。一橋大卒でメガバンに入った著者が、いかに銀行が封建的で働きにくい場所かを暴露しています。メガバンは平均年収が高いため就活生には人気な…
魔境。外資系投資銀行は魔境なり。いや実は就活してるときはGSとか受けてたんですけどね、いまいちやる気が出なかったのはこの本が原因です。外資系投資銀行で働くということがいかにハードかということを具体的な体験談によって綴ってます。投資銀行の内定…
私は○○で成功した!系の話は全部運のみですからスルーしていいよ、ということを理解できました。なぜなら、そうした自己啓発本は、それによって成功した人の経験談でしかなく、それによって失敗した人がどれだけいるかは排除されているからです。本書は、こ…
もの言えば クビになるなり 経産省。 というわけで、公務員制度改革を骨抜きにした民主党政権を実名で批判した官僚の古賀茂明が退職依頼されて話題になっています。 本書は、小泉政権時代にこの公務員制度改革をやろうとしていた財務官僚が書いた本で、政権…
先日「公共哲学とは何か」を批判的に取り上げたところ、著者である山脇氏から「私自身はこの本が貴方の言うように「無害ないいとこどりの本」とは全く思っておりません(中略)現代社会のあり方について激しく論争しましょう。」とのコメントをいただきまし…
ありとあらゆる思想のいいとこどりをすれば最強の思想ができるんじゃね? と思ったことがありますが本書はまさにそんな感じです。そうした思想はたしかに欠点らしい欠点も無く、防御力という点では非常に優秀なのですが、それを使って何か面白いことができる…
これは本当にいい本ですよ。古典の名に値する。とくに収録論文の「社会科学にとっての事実」は文系なら全員読むべき。 ハイエクによれば知識というものは「存在する」ものではありません。むしろ、知識は個々の人間によって「意思決定される」ものです。これ…
「権利のための闘争は権利者の自分自身に対する義務である。と同時に、権利のための闘争は国家共同体に対する義務である」。 えーと、ちょっと何言ってるかわかんないです。権利ってことは「権利を行使しない自由」も含めて権利なんじゃないの? 権利を主張…
カネボウの再建に関わった実務家の立場からコーポレートガバナンスについて論じた本。著者は「会社は株主のものだから、株主の意向に従うことが正義だ」という株主主権論に疑問を抱いています。なぜかというと、株主は残余請求権者なので、株価が一定以上に…
敵対的買収が流行ったときに「会社は誰のものか」という議論が盛り上がりました。会社法によれば、会社は株主に所有されているので、それが「良い会社買収」か「悪い会社買収」かは株主が決めればいい、ということになります。経営陣がいくら反対して、敵対…
商社の業界研究本として読みました。商社の従来的なビジネスモデルは流通の仲介ですが、最近は金属・エネルギー部門の事業投資が収益源となっています。三菱商事・三井物産・伊藤忠・丸紅などは資源価格の高騰を受けて金属・エネルギー部門の利益が全体の6割…
イノベーションとは「いかにして差別化を図るか」という問いへの答えらしいです。「業界首位の商品をパクってキャッチアップする」とか「コストを削減する」とかもイノベーションによってできますが、本書の主題はやはり「差別化のための手段」です。どんな…
政府の借金が1000兆円、家計の貯蓄は1400兆円なので、日本経済が持っている国債の買い余力(政府の借金の買い手となれる能力)は400兆円分あります。で、毎年だいたい40兆円ぐらい政府の借金は増えていっているので、400÷40 = 10で、残り10年ほどすると、政…
ライフネット生命保険の創業者が起業の経緯を語った本。一言でまとめると「現状の生保ビジネスは商品設計をわざと複雑にして消費者をぼったくってるので、シンプルな商品を安く売りさばけば既存の生保を出しぬける」というものです。消費者の側からするとな…