一般小説
毒笑小説 (集英社文庫)作者:東野 圭吾集英社Amazonこの作者はやっぱりどこか普通の人なんだなあ。だって見てくださいよ、この毒のないほのぼのとした世界を! 筒井康隆の短編集を腐海とするなら、東野圭吾の短編集は風の谷のように清浄だ。「エンジェル」み…
怪笑小説 (集英社文庫)作者:東野 圭吾集英社Amazonえっと、そんなに面白いですか? ふだんはミステリ書いてる著者の笑える短編集ということなんですが、あんまり笑えません。ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束」のパロディである「あるじいさんに線香…
権現の踊り子 (講談社文庫)作者:町田康講談社Amazon町田康の短編集を読むのはこれで2冊目だけど、長編と比べてだいぶカオス。なにこれ。しょうもない人間としょうもない付き合いをして、正体不明の怒りに駆られるようなそんな作品。たとえば表題作なんか「権…
わたしのグランパ (文春文庫 つ 1-10)作者:筒井 康隆文藝春秋Amazon刑務所帰りの祖父と女の子の話。この祖父がやたらカッコいい。そこそこ面白かったです。ただやっぱり物足りないのは、作者の「毒を抑えて万人受けするエンタメ路線を狙っていこう」という意…
モザイク (新潮文庫)作者:ランディ, 田口新潮社Amazonうーん。これはどう評価したものかなあ。一応「コンセント」・「アンテナ」に続く三部作の完結編なのだが、前二作に明らかに見劣りする出来で、あの傑作を生みの親である著者がいったい何を食ったらこん…
アンテナ (幻冬舎文庫 た 12-7)作者:田口 ランディ幻冬舎Amazon妹は失踪し、母は新興宗教にハマり、弟は発狂する。そんな崩壊寸前の家族をなんとか支えようとする主人公はなぜかSMにハマる。なんというか、これだけ書くと本当にどうしようもない話なのだが、…
コンセント (幻冬舎文庫 た 12-5)作者:田口 ランディ幻冬舎Amazon毒にも薬にもならない本が多い中、これほど毒になる小説もめずらしい。突然電池が切れたように生きるのをやめた引きこもりの兄の謎を追うミステリとして、話は進む。だがそれは見せかけだけで…
新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫 む 3-30)作者:村上 龍講談社Amazon僕たちは世界を変えることができないなんて白けてるやつはいなかった。かつては。 村上龍が高校生だった60年代、安保闘争は現在のしょぼい就活反対デモや格差反対デモの比じ…
人間小唄 (講談社文庫)作者:町田康講談社Amazonひどい。とある作家がわけのわからぬ連中に監禁される、そして(1)短歌をつくる、(2)ラーメンと餃子の人気店をつくる、(3)暗殺をする、という無理難題を押し付けられ、それを無理やり遂行していくという話…
下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん (小学館文庫)作者:嶽本野ばら小学館Amazonゴスロリという文化がどんなものかイマイチよくわからないのですが、なんとなくメイド服チックな衣装をこさえてはそれを着て悦に浸るという、そんなイメージです。で、そん…
男子の本懐(新潮文庫)作者:城山三郎新潮社Amazon大震災、世界不況、デフレ、とまるで現在の日本かって感じの20〜30年代。人々の不満は高まるは、関東軍は無暗にがんばるわ、政治家は撃たれるはで、大変だったのですが、この小説はそんなやんちゃな時代に己…
存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)作者:ミラン・クンデラ集英社Amazonもう古典を読むのはやめようかな。そう思わせた一作でした。これだから古典は嫌なのです。地雷が多すぎる。太宰治「人間失格」みたいな、リア充が繊細な悩みをもってうだうだと女たら…
バイアウト 上 (講談社BIZ)作者:真山 仁講談社Amazon「ハゲタカ」の続編。前作では非上場会社の経営権をいかに握るかというディールが中心だったのですが、今度は上場会社がターゲットです。当然、敵対的TOBのような株式市場を舞台にした戦いになってくるの…
新装版 ハゲタカ(上) (講談社文庫 ま 54-8)作者:真山 仁講談社Amazon金融機関志望の人はみんな読んでると思って、あえて今まで読んでなかったのですが、やっぱり傑作です。ハゲタカファンドという、ボロボロになった会社の株や債権を買い叩いて高値で転売す…
空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)作者:奥田 英朗文藝春秋Amazon気の狂ったような精神科医が気の狂った連中とわいわい楽しくやっているうちに、ある種の解決に至るというパターンを何度かやる。そんな短編集。とがっているものが怖いとかやってはいけないこと…
黄金旅風 (小学館文庫)作者:飯嶋和一小学館Amazon江戸時代、まだ鎖国する前の長崎が舞台の歴史小説。当時の社会経済がどのようなものだったかを知りたいならなかなかいい作品です。オランダなどの外国との立ち位置や幕府との距離感などなかなか読みごたえが…
文学部唯野教授の女性問答作者:筒井 康隆中央公論新社Amazon「文学部唯野教授」が女性の悩みに答えるという企画。まあ文学的な話にはほとんどならず、単なる人生相談が8割です。トークの痛快さだけでほぼ持っているような状態なので、好きな人だけ読んだらい…
文学部唯野教授のサブ・テキスト作者:筒井 康隆文藝春秋Amazon「文学部唯野教授」を読んだ後もっと教授のトークを聞いていたい! と思わず思いましたが(どっちだ)、その願いが本書で叶えられました。教授のインタビューと、ポスト構造主義の手法を用いてポ…
大いなる助走 (文春文庫 (181‐3))作者:筒井 康隆文藝春秋Amazon同人誌で腕を鍛えて作家になる、というルートはいまでこそあんまり聞かないですが、筒井康隆はまさにそうしてデビューした作家でした。本作は、文学を志す者同士お互いに切磋琢磨しあうという美…
西の魔女が死んだ(新潮文庫)作者:梨木香歩新潮社Amazon思春期の女の子がちょっと不思議な場所で居候するという「千と千尋の神隠し」的なストーリーです。まあファンタジーではないんで不思議っていってもそこまでではないんですが。しかし、これはねえ。な…
グレ-ト・ギャツビ- (村上春樹翻訳ライブラリー f- 2)作者:スコット フィッツジェラルド中央公論新社Amazonギャツビーという成金野郎のくせに異常なほど純朴な男の話です。こいつがいかにグレートな野郎か期待していたのですが、さしてグレートではないです…
後宮小説(新潮文庫)作者:酒見 賢一新潮社Amazon架空の歴史書を紐解きながら当時の情景を小説化した、という設定の小説です。舞台はまあ中国の王朝ですね。こういう歴史ものはやたらと表現がくどかったりして読む前に身構えてしまうのですがこれは例外的に…
セピア色の凄惨 (光文社文庫)作者:小林 泰三光文社Amazonあれ、小林先生が新刊出してる。ぜんぜん気づかなかった。というわけで今回はSF色の無いホラーの連作短編集です。変なことにこだわりすぎているダメ人間が出てくるので、身に覚えのある読者にとっては…
ゆがんだ闇 (角川ホラー文庫 5-11)作者:小池 真理子KADOKAWAAmazon短編ホラーのアンソロジー。鈴木光司や瀬名秀明といった有名どころもいるが、なんといっても小林泰三の作品が圧倒的。正体不明のなにかがひたひたとやってくるだけの作品なのですが、なかな…
iレディ (角川ホラー文庫)作者:吉村 達也KADOKAWAAmazonネットを通して人格が汚染されるというストーリーとだけ聞き、バイオハザードのサイバーパンク版かなと期待したのですが、実際に読んでみるとあまりのB級臭におもわず噴飯いたしました。いい年こいた…
半島を出よ 上 (幻冬舎文庫 む 1-25)作者:村上 龍幻冬舎Amazon名作。基本的に村上龍の小説は没交渉な性格の人間に居心地いいように作られています。要するに「普通」とか「一般」から浮いたアウトサイダーやマイノリティに向けて書かれた小説なので、そうい…
DIVE!! 上 (角川文庫)作者:森 絵都KADOKAWAAmazon森絵都がスポ根書いたら存外に面白くて困ったでござる。なんというか、ジャンプで突発的に連載が始まる、あえてマイナーなスポーツを題材にしたマンガみたいな感じかな。飛び込みという絵的にも地味な競…
傭兵ピエール 上 (集英社文庫)作者:佐藤賢一集英社Amazon歴史小説はそんなに好きじゃないんですが佐藤賢一だけはガチ。英仏百年戦争を舞台にした本作も中世の生活環境がむき出しで描かれていて、ああこれがこの時代なんだなあと、むせるほどの時代臭を感じさ…
12皿の特別料理 (角川文庫)作者:清水 義範KADOKAWAAmazon
ラブ&ポップ: トパーズ2 (幻冬舎文庫 む 1-7)作者:村上 龍幻冬舎Amazon 女子高生が援助交際を決意する話。その動機というのが12万8千円のインペリアル・トパーズを渋谷で見つけて、どうしてもそれが欲しくなってしまったというものです。欲しすぎてヤバイと…